奨学金の基本
奨学金は、学生の4割が利用しているとも言われる学生の学業生活を支援するためのお金です。
原則、経済的な理由によって就学が困難な学生を救済するためにある制度ですが、その高い利用率からも社会的な必要性がうかがえます。
奨学金制度は学生を救済するための制度ですが、あくまでも貸し出されるお金なので、後に返済しなければいけません。
しかしながら、奨学金を利用したはいいが返済が困難になる、経済的な負担の長期化によって疲弊するなどの問題が表面化してきています。
こういった社会問題の状況を受け、文部科学省は学生の負担を軽減するために新しい奨学金制度を開始しました。
利子にかんしても無利子の貸付へと方針転換を進め、平成29年からは給付型奨学金事業をスタートしています。
旧来の貸付されるタイプの奨学金は貸与型と呼ばれるのに対し、原則返済の義務がない貰える奨学金は給付型と呼ばれています。
給付型奨学金の概要
給付型奨学金は原則返済義務がないため、当然ながら貸与型に比べて採用の審査基準が厳しくなり、採用人数もごくわずかです。
具体的な条件として、社会貢献できる人物像、非常に良い成績である、優れた実績がある、家計基準を満たしている、など人物像の視点で見られていたり、人物面以外でも条件が提示されている場合もあります。
出身校や在籍校の推薦が必要であったり、給付対象の高校、大学が指定されていたり、対象地域や分野が限定されていることもあるので、利用を希望する場合は、事前に奨学金実施団体に問い合わせをして、詳しい応募条件を確認しておく必要があります。
もちろん、これらの条件を満たしていれば利用できるチャンスはあるので、検討してみる価値はあります。
給付型奨学金のメリット
給付型奨学金のメリットは、支給されたお金を原則返還しなくていいことに尽きます。
奨学金は高額なものも多数あるため、借金の自覚が薄いまま利用しているといざ返済が始まったときに経済的な困窮に陥るケースが少なくありません。
返済は長期的なものとなるため、経済的負担だけでなく心理的負担も無視できません。
給付型奨学金であればそういった問題がクリアできるため、未来に懸念や不安を残さなくて済みます。
給付型奨学金を受ける方法について
給付型奨学金の申請は貸与型奨学金と同じく、在学中の高校の奨学金窓口で行います。
すでに卒業している場合は、2年以内であれば卒業した学校を通しての申請ができます。
高認や卒業後2年以上経過している出願者については、日本学生支援機構に直接申し込みを行います。
採用候補者決定の結果は10月下旬ごろに高校を通じて通知され、進学後には進学先の学校に進学届を提出する必要があります。
一連の手続きを経た後給付奨学生として採用され、定められた期限までに誓約書を提出し、給付奨学生となります。